近年メディアでも取り上げられるようになった発達障害について知っていこう
以前のブログで軽く発達障をご紹介しましたが、今回は種類・特徴について詳しく解説していきたいと思います!
目次
ひとくくりに発達障害と言っても種類は様々あります。今回はしっかりとタイプ別に解説していきます。
- 自閉症スペクトラム障害
自閉症スペクトラム障害とはASDやアスペルガーなどともいわれます。コミュニケーション能力が著しく低い、こだわりが強いなどがあります。ちなみにネットスラングの「アスペ」はこのアスペルガー症候群のコミュニケーション能力が低く人と対話ができないということを馬鹿にしたり揶揄するようなものなので使わないようにしましょう。
現在の国際的診断基準の診断カテゴリーである広汎性発達障害(PDD)とほぼ同じ群を指しており、自閉症、アスペルガー症候群、そのほかの広汎性発達障害が含まれます。症状の強さに従って、いくつかの診断名に分類されますが、本質的には同じ1つの障害単位だと考えられています(スペクトラムとは「連続体」の意味です)。典型的には、相互的な対人関係の障害、コミュニケーションの障害、興味や行動の偏り(こだわり)の3つの特徴が現れます。
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_develop.html
自閉症スペクトラム障害の人は、最近では約100人に1~2人存在すると報告されています。男性は女性より数倍多く、一家族に何人か存在することもあります。
- 注意欠如多動障害
注意欠陥多動障害・ADHDとも呼ばれます。男の子は多動が優位、女の子は不注意が優位とされています。年齢とともに治まる場合もありますが人によっては子供のころから同じ症状が持続する人もいます。
発達年齢に見合わない多動‐衝動性、あるいは不注意、またはその両方の症状が、7歳までに現れます。学童期の子どもには3~7%存在し、男性は女性より数倍多いと報告されています。男性の有病率は青年期には低くなりますが、女性の有病率は年齢を重ねても変化しないと報告されています。
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_develop.html
- 学習障害
LDともいわれます。知的な遅れはないのに文字の読み書き、計算に困難のある状態を指します。
全般的な知的発達には問題がないのに、読む、書く、計算するなど特定の事柄のみがとりわけ難しい状態をいいます。有病率は、確認の方法にもよりますが2~10%と見積もられており、読みの困難については、男性が女性より数倍多いと報告されています。
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_develop.html
おもに上記の種類があげられ、自閉症に関しては知的障害も伴っている場合があります。
大人になって初めて診断されるケースも多い発達障害ですが、子供のころから兆候が見られる場合があります。
- 自閉症スペクトラム障害
自閉症スペクトラム障害は特有のしぐさが1歳ごろより見られます。
典型的には1歳台で、人の目を見ることが少ない、指さしをしない、ほかの子どもに関心がない、などの様子がみられます。対人関係に関連したこのような行動は、通常の子どもでは急速に伸びるのと違って、自閉症スペクトラム障害の子どもでははっきりしません。保育所や幼稚園に入ると、一人遊びが多く集団行動が苦手など、人との関わり方が独特なことで気づかれることがあります。
言葉を話し始めた時期は遅くなくても、自分の話したいことしか口にせず、会話がつながりにくいことがしばしばあります。また、電車やアニメのキャラクターなど、自分の好きなことや興味のあることには、毎日何時間でも熱中することがあります。初めてのことや決まっていたことの変更は苦手で、なじむのにかなり時間がかかることがあります。
思春期や青年期になると、自分と他の人との違いに気づいたり、対人関係がうまくいかないことに悩んだりし、不安症状やうつ症状を合併する場合があります。就職してから初めて、仕事が臨機応変にこなせないことや職場での対人関係などに悩み、自ら障害ではないかと疑い病院を訪れる人もいます。子どもの頃に診断を受け、周囲からの理解を受けて成長した人たちの中には、成長とともに症状が目立たなくなる人や、能力の凸凹をうまく活用して社会で活躍する人もいます。
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_develop.html
ちなみに歌手の米津玄師さんも知的障害のない自閉症であると診断されているそう。人とは違う自分の長所を最大限に生かして活躍されている一人です!
- 注意欠如多動障害
子供はみんな暴れまわるし忘れ物もするし気にしすぎても仕方ないよ!と考える親御さんも多いかと思いますが、本来はそれらの症状が落ち着いてくるはずの小学校入学前後(6.7歳)になっても落ち着いてこない様子が見られるとが診断の一つの目安となりそうです。
7歳までに、多動-衝動性、あるいは不注意、またはその両方の症状が現れ、そのタイプ別の症状の程度によって、多動‐衝動性優勢型、不注意優勢型、混合型に分類されます。
小学生を例にとると、多動‐衝動性の症状には、座っていても手足をもじもじする、席を離れる、おとなしく遊ぶことが難しい、じっとしていられずいつも活動する、しゃべりすぎる、順番を待つのが難しい、他人の会話やゲームに割り込む、などがあります。
不注意の症状には、学校の勉強でうっかりミスが多い、課題や遊びなどの活動に集中し続けることができない、話しかけられていても聞いていないように見える、やるべきことを最後までやりとげない、課題や作業の段取りが下手、整理整頓が苦手、宿題のように集中力が必要なことを避ける、忘れ物や紛失が多い、気が散りやすい、などがあります。
多動症状は、一般的には成長とともに軽くなる場合が多いですが、不注意や衝動性の症状は半数が青年期まで、さらにその半数は成人期まで続くと報告されています。また、思春期以降になってうつ症状や不安症状を合併する人もいます。
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_develop.html
授業開始のチャイムが鳴ってもグラウンドで遊んでいる、急に怒りのスイッチが入りほかの子に手を出してしまう。言われたことを頭の中で整理できずしっかりと覚えることができない。これらもADHDのある人に見られる傾向です。どうでしょう、あなたはあてはまりますか?
- 学習障害
ほかの教科は問題ないのに一教科だけあからさまに点数が悪い、計算はできるけど文章が読めない、これらが主に就学時に目立つようになります。
全般的な知的発達には問題がないのに、読む、書く、計算するなど特定の事柄のみが難しい状態を指し、それぞれ学業成績や日常生活に困難が生じます。こうした能力を要求される小学校2~4年生頃に成績不振などから明らかになります。その結果として、学業に意欲を失い、自信をなくしてしまうことがあります。
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_develop.html
学習の遅れはあるのに、視力・聴力の身体的問題がなく知的な遅れ(発語など)も特にない場合はLDを疑ったほうが良いかもしれません。
上記のものに別途記載されている場合がある障害があります。それは
発達性強調背運動障害
です。運動障害という名の通り知的遅れや空気が読めないなどが症状として出るのではなく体の不器用さが目立ってしまうものです。
麻痺などの運動障害がないにも関わらず、「ボールを蹴る」「字を書く」などの協調運動に困難さが見られます。
https://minoru-shinkei.jp/dcd.html
乳幼児期の運動面の発達においても定型発達のお子さんに比べて遅れがあったり、はいはいをあまりしない、転んだ時に手が出ないなどの特徴が見られたりします。
学童期には、「運動が苦手な子」「不器用な子」として見られやすいです。
ただの運動音痴だねですまない場合もあるので極端に運動が苦手な場合は一度検査を受けてみましょう!
いかがでしたか?自分自身には当てはまらなくても自分の身の回りの人にこういう症状の人がいる・生きていくうえで困難を感じている状態であれば心療内科の受診をお勧めしてみては?
ではまた~!
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